マイナンバーで副業がばれる？ダブルワークするときの注意点

「働き方改革で残業代が減ってしまった･･･ローンもあるし、子供もまだ小さいし、何か別で収入源を確保しないと･･･。」

と、今までもらえていた残業代分を副業で稼ごうと考えられている方も多いのではないかと思います。

でも、マイナンバーが導入されたから収入がすべて把握されてしまい、勤め先に副業がばれるようになる、と耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

果たして、本当にマイナンバー制度によって副業が会社にばれるようになったのでしょうか。

それでは、マイナンバーが導入されることで副業がばれるようになったのかどうか、また、勤め先に副業がばれる主な事例と合わせて見ていきましょう。

マイナンバー導入によって副業がばれやすくなる？

マイナンバーが導入されることで、副業をしていることが会社にばれるようになるのでしょうか。

結論から言うと、マイナンバーが導入されたから副業がばれるようになるということはありません。

というのも、マイナンバーは、日本に住民票のある国民全員に12桁の番号を付与することで、税務や社会保障などの行政事務の効率化を目的として導入されました。

また、マイナンバーの利用は税務、社会保障、災害対策の利用に限られており、企業での従業員の税金、保険、年金に関する書類の作成や、行政機関での手続きの際に限られており、これ以外の利用は法律で禁じられています。

そのため、企業がマイナンバーを使って個人の他の収入を調べることもできませんし、マイナンバーでまとめた個人の収入の情報を、役所や税務署から企業に教えることもできません。

なので、マイナンバー制度自体が副業がばれるかどうかには関係ないのです。

副業をしていることが本業の会社にばれる主な事例としては、副業で得た収入にかかる住民税が本業の会社の住民税に上乗せされてしまい、そこから「この人、他に収入があるのでは？」と察知されてしまうケースです。

これは、副業分の収入は自分で確定申告しないと、本業の会社の住民税に上乗せされる特別徴収（給料から差引き）を指定されてしまうからです。

これを防ぐためには、副業分の収入を自分で確定申告を行い、確定申告書類の住民税に関する項目で、自分で住民税を支払う普通徴収（自分で納付）を選ぶことで、原則としては本業の会社の住民税に上乗せされなくなり、副業がばれにくくなります。

“原則として”と書いたのは、住民税は地方税なので自治体によって扱いが異なる場合があるためです。

一方で、副業の収入を確定申告する必要があるのに無申告で済ますと脱税となってしまい、本業の給料から差し押さえられてしまうので、もちろんその場合も副業がばれてしまいます。

よって、副業をする場合は、副業分の収入を必ず自分で確定申告しないといけないということですね。

そして、役所から各企業に住民税の額が通知されるのは5月の始めなので、4月の中ごろあたりに副業の収入は普通徴収になっているか確認した方がよいでしょう。

職員の手違いで特別徴収になっていた、ということも無きにしも非ずですので。

上の項目でも書きましたが、住民税は自治体ごとに扱いが異なる場合があり、また、今後改正されることも十分にあるため、一概には判断できません。

自治体によっては、副業の収入は普通徴収にされず、特別徴収として処理されてしまうという可能性もあります。

他にも、副業の就業条件によっては、副業でも社会保険に加入することになり、本業の会社から天引きされる社会保険料が変わってしまい、副業がばれてしまう場合もあります。

そのため、副業で収入を得てからどうしようもなくなる前に、住民票のある役所や税理士などの専門家に相談しておいたほうがいいでしょう。

マイナンバーは国が国民の収入情報を効率的に処理するための制度であって、企業がマイナンバーを利用して個人の収入を調べたりすることはできませんし、国が集めた収入情報を企業に提供したりすることもできません。

そのため、マイナンバーが導入されたために副業がばれるようになるということはありません。

副業がばれるのは、元からあった税法によって副業の分の収入が本業の会社の税金の額に影響し、そこからばれてしまうためです。

そして、住民税などの地方税は自治体によって扱いが異なる場合があるので、副業を始める前に役所や専門家と相談してから判断することをお勧めします。

マイナンバーは思ったより曲者ではありませんでしたが、税金の制度は複雑で厄介です。

副業で収入を増やそうとして、思わぬトラブルに巻き込まれて収入が減ってしまっては本末転倒ですので、副業をする際には十分に確認してからにしましょう。